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３０代４０代の独身男女がカウンセリングにおいでになって。

まるで、就職試験のように　お相手の希望をのたまう。

お見合いしても　気に入らない。

相手を測る。自分の小さな物差しで。

競争社会でしのぎ削って育ってきた世代の幸せでない世代である。

その世代の父母は　５０代後半から６０代前半の団塊の世代。
競争世代である。

娘の社会進出を願ってきた。
息子をスポーツに勉強にできることを願ってきた世代。

その子供たちが　結婚していない。

人をジャッジする寂しい世代。
自分もジャッジして、幸せでない世代。

この子たちは　また　子育てで子供をジャッジして
調教していくんだろな。

　昔　昔を思い出す。

夕方になると　家の路地に　ばんこ＜簡単なベンチのような椅子＞
が出てね。
夕涼みが始まる、男の伯父さまたちは　ステテコはいて、団扇持って
出てくる。
子供たちは　ばんこに座ってアイスクリーム食べたりね。
近所のおばちゃんが子供をおぶって出てきてね。
色んな話ずっとずっと　してね。だから　誰が何考えて
どこの家でどうなってって　知っていたよね。
皆がね。よくしゃべっていたよね。

物がなかったよね。
塩がないからとか　お醤油が切れたからって
お隣に借りに行ったりしていた。
美味しいお煮しめが　できたら
つぎ分けて御近所におすそ分けしていたよね。
懐かしいな・・・

幸せって　なんだろな・・・

　
そういえば・・・・
私が小さい時にいた村は「青春の門」の
舞台にもなった　炭鉱町でね。

村には、知恵遅れの秀坊がいてね。
ドモリがひどいんだよね。
ワンフレーズ、話すのにそりゃあ、何倍もエネルギーと
時間がかかる。
顔は激しいニキビの親玉のでこぼこでね。
でも　いつもニコニコしている
そんな・・・秀坊は人気者だったよ。

普通にみんな　秀坊を受け入れていた。

秀坊に　「秀坊、秀坊～」 って
声かけていたよね。

差別なんかしないよ。そこにいつも
いて当たり前みたいな仲間だったよ。

人をジャッジしない。
裁かない。
自分を裁かない。